どうせ才能ないんだから俺のメシスタントだけやってろ

まだ夏冬のお祭りが晴海埠頭だった頃の話 
大学生の当時、友人Aと田舎でコピー誌中心の創作系をやっていた 
私は家族が多かったので慣れてたから、当たり前のように締め切り前はAの食事とかも面倒見ていた、これには一円も貰ってない 
Aは飯があるものだから(当時はそうだと思い込んでた)しょっちゅう私の下宿先に転がり込み、原稿描くだけ描いて着替えに帰るような生活をしていた 
ある日夜間のバイトから帰り、入れ替わりでAが帰ったあとで自分の原稿をやろうと思ったら、自作のトレス台とペン入れ道具一式がなくなってた 
戻ってきたAに尋ねたら、昨晩使ったら使いにくかったんで捨てた、え？捨てたってなんだよ俺の道具だぞってポカン 
 

慌ててゴミ袋みたら、ガラス板を割られたトレス台と先を割られたペン先がゴロゴロ
Aは筆が鈍ると物にあたるタイプで、私の部屋に来てる時はそれだけは止めろとと口を酸っぱくして言ってた筈なのによりにもよって一番大事な道具を壊しやがった
お前ふざけてんのかとガンギレする私をニヤニヤ見ながら、どうせ才能ないんだから俺のメシスタントだけやってろとのたまうA
そこではじめて知ったが、Aはコピー誌の売上や私の持ち物も掠めとって一人でエロ系の別サークルをやってた
代原くらいなら考えてもいいと声がかかって調子に乗った挙句足手まとい(私)を切ろうと思い立ったらしい
ああそんな話ならこっちからお断りだ、で叩きだして縁切り
Aは身軽になったと大喜びで出版社に行ったら、欲しがられたのはおまけの不条理系4コマで、しかもそれは私が合同で出してたコピー誌に描いた奴の無断転載だった
結局Aはメシスタントと金づるを失った上にチャンスも無くし、ついでにこの顛末が学内に広がってそっちでも居場所をなくしたという昔話

娘が腐系ジャンルの同人描いてるのを知ったので思い出してカキコ、乱文失礼しました