「今朝はメールありがとう」と近づいたら、いきなり足を踏まれた。

職場で知り合ったＡ。 
お互い隠れヲタだったが、オンリーでばったり会ってそこから仲良くなった。 
Ａも自分も同カプ（ジャンル内でのマイナーカプ）だったので話が余計盛り上がり、合同誌も出したりした。 
出勤に同じ路線を使っていたので、萌話しながら帰ることもあった。 

ある朝、Ａが「今日電車混んでるよ」とメールをくれた。 
（一緒に行く約束はしていないが自分のほうが後の駅で乗り込むのでたまに路線状況を教えてくれた） 
お礼を返して駅に行くと、遅延で混雑している。特にドア周りはぎゅうぎゅう。 
乗り込んですぐに、奥のほうが若干すいていたのでそっちに行こうと体を向けるとそこにいた人が進路を塞いできた。 
が、後ろから乗り込んできた圧力のほうが強く、若干すいてるゾーンにはじき出された。 
会社は終点の駅にあるので、降りるときは少し余裕がある。 
人波が落ち着くのを待っていたらドア付近にＡがいたので「今朝はメールありがとう」と近づいたら、いきなり足を踏まれた。 
結構本気で踏んづけられ（しかもヒール）思わずうずくまったら、Ａは勝ち誇ったように笑って「じゃあまた後でね～」とさっさと行ってしまった。

Ａとはいつもお昼を一緒に食べていたので、昼休みに朝の件を問いただしたら、
・混雑しているのに奥に行こうとするほうが悪い（すみませんとか言いながら行くのも論外、ともかく行くのが悪い）
・そういうマナー違反を阻止してあげている（進路を塞いだのはＡだった）
・でも自分ちゃんは突破したのでマナー違反を知らしめるため足を踏んだ（押されたとかは考慮しない）
ちなみに自分だけではなく、いつも通勤時にはそうしていて、今まで何人もの足をわざと踏んでいたらしい。

そうやって毎日「マナー違反に罰を与える自分」を自慢げに語ったあげく、
「自分ちゃんがあんなマナー違反するなんて見損なった。しかも逆恨みして文句を言ってくるなんて最低」とＣＯされた。
その後Ａは会社を辞めてしまい、自分が持っていた合同誌の在庫だけがどうしようもなくいまだに我が家の棚の奥で眠っている。